PopScorn

映画はポップコーンと共に。

【キラー・ブック・クラブ】人生は筋書き通りにはいかない

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作家になりたい。

自分の書いた物語で人を魅了したい。

私の夢の一つである。

 

そのためにはまずは作家に触れる、作家のマインドを手に入れる。

という名目の元、スペイン映画『キラー・ブック・クラブ』を視聴。

90分の短編映画だったからハードルが低かった。

『キラー・ブック・クラブ』

本題に入る前に、まずこの映画のあらすじから。

ホラー小説を愛する仲良しの8人は、実はある恐ろしい秘密を共有していた。その秘密を知るらしき殺人ピエロが仲間を1人、また1人と手にかけていくなか、果たして生き残る道はあるのか…。

エンタメレビューサイトFilmarksで評価を見てみたところ、789件のレビューで星2.6。

相当低めの評価になっていた。

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クチコミは「ありがちな展開」という意見が多かったイメージ。

たしかに、前のめりになって夢中になるかと聞かれたら自信をもってYESといえる映画ではなかった。

 

ただ、ここでは批評がしたいのではない。

この映画を観て何を学んだか、どう活かすかをまとめたい。

人生は筋書き通りじゃない

この映画からの学びは「人生は筋書き通りにはいかない」ということ。

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結果的に犯人はキラーブック俱楽部の仲間で、その犯人が小説として筋書きを作り、その通りに殺人(復讐)を犯していく。

その殺人小説の主人公は、この映画の主人公であるアンヘラ。

結局アンヘラだけは筋書き通りにいかずに生き残るわけだが、ここから「柔軟な人間が生き残る」と学ぶ。

人生はドラマや小説のように筋書き通りにはいかず、柔軟にその場に対応・変化できる者が生き残る。

これは歴史やビジネスの世界でもよく言われている。

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途中までは犯人の書いた筋書きのように進んでいくものの、最後は頭を使った変化の生物、人間が勝利。

人の決めた筋書き通りに進んでいって、そこから外れる時、それが真理になる。

そんなことを学べた映画だった。

【だが、情熱はある】合う人に会う旅

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山里亮太若林正恭

ふたりを表すのにぴったりな言葉は“闇”

 

そんなふたりの半生を描いたドラマ『だが、情熱はある』

ふたりの決して楽じゃない生き様を見て、多くの感情が動いた。

それらをここにまとめたい。

ふたりの生い立ち

本題に入る前にふたりの生い立ちについて。

山里亮太

山里は母、父、兄の四人家族。

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あらゆることを「凄い」という言葉で締めくくる母に育てられる。

妬み嫉みにまみれたその感情をエネルギーに変えて生きていく、嫉妬と勘違いの天才。

若林正恭

自意識過剰で人見知りな上に、考えすぎる性格の若林。

母、父、姉の四人家族と、祖母を含めた五人で暮らす。

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自由に暮らす父と、どんな時も優しい祖母が印象的。

やぶ医者に心臓に穴が開いている、と言われたことをきっかけに父に「感情を出すな」と育てられる。

タイトルの意味

山里と若林のふたりの半生を描いたドラマ『だが、情熱はある』

このドラマのタイトルの“だが”の部分について考えてみた。

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通常、「だが」は文頭に使われない。

だが、このドラマのタイトルはこの言葉から始まっている。

つまり、この言葉の前に隠語があるはず。

考えうる隠語

「だが」は、前の語を否定し、反対の意味を強調する際に使われる。

 

嫉妬心、勘違い、ネガティブ、ひねくれ、自己否定…。

彼らふたりを表す言葉たち。

これらの性格からふたりはいろいろな行動を起こす。

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相方にひどい態度でダメ出しの連続、ものに当たる、自分が悪く見えないように芸人の道を諦める方法を探す…。

 

本当は面白いのに、何かが足りないふたり。

だが、情熱は、情熱だけはある。

こんな意味が込められたタイトルと考える。

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お笑いに本気だからこそ、お笑いを突き詰めるからこその感情や行動。

それらはすべてふたりのお笑いに対しての愛。言い換えると情熱。

情熱の山ちゃん

そんな山里亮太の情熱が現れていたシーンを中心に振り返る。

求めるものが大きい

山ちゃんはとにかく本気。お笑いに本気。

それが故に相方には厳しく接するし、本気で求める。

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人生の全てをお笑いにかけてると言ってもいいくらいの情熱で、他の人のネタを見てはウケる間やツッコミの数など、ひたすら研究。

それもこれも劣等感。何も持っていないために何かを求めて走り続ける。

優れた人を見て自分の不足を嘆くのではなく、自分の才能を信じて「俺だってできる」「なんで俺が評価されない」と思える才能。

とにかく情熱がすごい。

どんな手も尽くす

そして山ちゃんは求める物のためだったらなんだってする。

盗み聞き、待ち伏せ、事前準備、裏回り…。

とにかく一直線で、どんな手を使っても欲しいものを自分の手によって手繰り寄せようとする。

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「勝手に面白いことが起きるわけがない。面白いことが起きる場所へ行くんだよ」

 by山里

相方に言った言葉。相方とはお笑いにかける情熱が違ったけれど、これは真理。

他人や環境に理由を見出すのではなく、自分ができる最大限の事をする。

そんな山ちゃんの想いが込められた言葉。

 

敢えてかは分からないけど、客観性が皆無で、“そんなことをしている自分”を悪く思わないでいられる才能がある。

ノートと対話

山ちゃんはとにかくノートに書く。

ノートに愚痴や不満をこぼすことで、自分と対話していた。

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「相方に対する君の態度はひどい」と言われた時、そのまま受け入れて反省して丸まるのではなく、まずノートに書く。

たいてい不満から書き始めるけれど、なんで言われたか、どう思うか、どうすればよいかなど、どんどん深掘りがされていく。

そうして自分の本音と向き合って今後の方針を決めていく。

書くことで自分を知って、そうして進む指針にする。

山里亮太にとってノートは守護神。

情熱の若林

次に、若林正恭の情熱が現れていたシーンを中心に振り返る。

行動が早い

若林は行動が早い、そして素直。

アフロにしてみたり、ノートに目標を書いてスケジュールをつけたり、春日を春日にしたり…。

とにかくいいと思ったことは試している。

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考えるすぎる性格なのに、ここは行動が早い。

理由は、明確に目指す場所があるからだと考える。

成りたい自分、欲しいものが明確に決まっているが故に、そうなるために必要なものを無意識に探して生きている。

結果的に芽が出ないものも多いけど、それが功を奏する時もある。

何事も経験あるのみ、である。

「うまそうより、うめえなんだよ人生は」 by若林パパ

考えすぎて、考える

若林は考えて考えて、考える。

考えすぎるからこそネガティブになる。正解を求めてしまう。

ただ、考えた先に気付くことも多い。

行動が伴っていればうまくサイクルが回っていく。

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「誰も僕を見ていないのは分かってるけど、僕が見てる」

考えすぎる人はすべからく、これ。

自分の中にもうひとりの自分が存在して、俯瞰から眺めている。

他人の目を気にするというのは、もう一人の自分の目なのではないだろうか。

自分を常に監視しているからこそ、道を外れられない。

これに気付けるくらい考えたとき、何かの鍵が開くかもしれない。

たりないふたり

そんな山里と若林に共通する点をまとめてみる。

あなたは面白い

山里も若林も、身近の人間が「大丈夫、あなたは面白い」と唱える。

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どんな時も全肯定してくれるそんな相手が身近にいて、文句を言わせてもらえる(=甘えさせてもらえる)環境がある。

自信を無くし、自己卑下に陥った時、客観的な目線で全面肯定してくれる存在の大きさったらないと思う。

それもこれも彼らが常に本気で進んでいたからだと、そう感じる。

自分を深掘り

ふたりとも、自分という人間をよく理解している。

書く・話すという二大アウトプットをひたすら繰り返して、自分を理解していく。

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とにかく行動量が多いからこそ、自分という一番曖昧なものが少しずつ明瞭になっていく。

山里は「しずちゃんをどう活かすか」、若林は「春日をどう活かすか」を考えていて、自分の役割を理解して上に向かう。

金言

最後にこのドラマで私が感銘を受けた金言をまとめる。

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おまけといえばおまけだけど、セリフを個人的見解で深掘りします。

興味があればご覧あれ。

「負けて打ちひしがれて生きてる実感を得る。こうやって勝つことの難しさを学ぶ」

 by若林パパ

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人は死を意識した時に初めて生を意識する、と聞いたことがある。

“負け”や“失敗”に対してどういったイメージを持つのか。

負けた、失敗したと浅い考えで留まるのか、勝ちの難しさを知った、成功のための布石と考えるのか。

考え方、捉え方こそ、100%自分の自由。

「大いに勘違いしてやるよ」

 by若林

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世の中に抗い続ける若林。

単純に世間の声を鵜呑みにするのではなく、自分の心の奥に潜って理解して自分のしたいように生きる。

それにはエネルギーが必要だけれど、そのエネルギーを劣等感や反骨心から生み出す。

「黒ひげ危機一髪のように勝ちか負けか自由に決めていいと、いつでも勝てそうでいい」

 by若林祖母

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黒ひげ危機一髪の勝敗は実は自由。

“飛んだら勝ち”or“飛んだら負け”を自由に選んで始めるルール。

“飛んだら勝ち”だと刺す度に勝ちを期待するゲームになり、“飛んだら負け”だと刺す度にドキドキして延命するゲームになる。

人生もこんなもん。

自分の人生の勝ち方は自分で決めてよくて、勝てそうなルールで戦う。

自分が輝くフィールド、自分に有利なルールで挑むこと。

「不幸じゃないと努力ってできない?」

 by春日

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春日は天然なズレがあるものの、人とは違うものの見方をしているから、たまに考えさせられる言葉を放つ。

まさに山里と若林は負の感情をエネルギーに変えてきた人。

ゼロイチは負の感情がガソリンとなって生まれる。

逆にそこから広げていく際には幸の感情を、心から楽しんだ方が広がるのではないだろうか。

「いいわねえ、予定があるって。何でもない日だけど、なんかあるなって思えてドキドキするしドキドキしなくなる」

 by若林祖母

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テレビに映っていた社長の助言を試す若林。

目標を立ててそこまでのスケジュールを一日ごとに書き込んでいく。

「何でもない日だけど、なんかあるなってドキドキするしドキドキしなくなる」

矛盾しているようで、矛盾していない。

毎日小さなことでも予定があることで、何でもない日が何かある日に変わって、ドキドキ(=ワクワク)できる。

一方、何もない日特有のドキドキ(=モヤモヤ)がなくなる。

モヤモヤせずにワクワクして生きられるという意味だと解釈した。

「人が本気で悔しかったりみじめな話は面白い」

 byラジオスタッフ

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つまり、情熱。

人が本気になって向かう先には、“面白い”が隠れている。

逆に言うと、挑戦や何かの出来事を“面白い”と思えれば儲けもの。

何事もやるからには、中途半端ではなく情熱を傾けること。

「いい不幸せ」 by若林

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“幸せ”という言葉を簡単に言えない、言わない若林。

簡単に口にすることはできるけど、自分に嘘はつかない性格。

心の底から“幸せ”と言っている人がいるのだろうかと思う世の中で、“いい不幸せ”という、この言葉が一番しっくりくる気がした。

「楽しいとか楽しくないとかじゃない、楽しむかどうか」

 by若林パパ

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何事も自分次第。自由に気の向くままに生きる若林パパ。

楽しいからやる、楽しくない。ではなく、やっていることを楽しむ。

たとえやらされていることでも、そこから逃げられないのであれば楽しんだもん勝ち。

そんなメッセージを受けた。

「うまそうより、うめぇなんだよ人生」

 by若林パパ

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この言葉はシンプルなのにすごく刺さった。

“美味しそう”と傍観して頭で想像するのではなく、“美味しい”と実際に体験して肌で感じろ、と言うメッセージ。

他人を傍観する脇役ではなく、自分の人生を生きる主人公になる。

“美味しそう”より、“美味しくない”の方が価値が高い。

「人に買ってきてもらうのはピンポイントだから余白がない。目当てのものを探すついでに他のものを見つけるのがいい」

 by若林パパ

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ピンポイントだと、そのものしか享受できない。

大事なものは淡さの中に隠れていて、余白があった方がいい。という言葉。

「人生は合う人に会う。誰とでも合う自分じゃないから合った人と会えるように頑張る」

 by若林

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人と合わなくて、自分を出してしまったそんな自分を自己卑下する。

違う。自分を出さないと、合う人には出会えない。

そんな簡単に理解できないけれど、自分を出す度、合わない人が分かる旅だと信じて自分を出すこと、ありのままでいることを忘れないようにしたい。

そうすればきっと、合う人に出会えるようになっている。

「天才とは尽きない劣等感と尽きない愛のこと」

 by若林

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愛するから、研究する。

愛するから、感情が動く。

そして劣等感があるから、ガソリンが切れずに続けられる。

山里亮太はそんな劣等感と愛の天才。

ガソリンである劣等感と、注ぐ対象である愛。

どちらも兼ね備える、そんな天才なんだと思う。

 

その分だけ、何かが足りない…。だが、情熱はある。

【ONE PIECE】海賊王になる男

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ワンピースがNetflixで実写化。

お金と時間と、相当力の入ったPR.Japan企画。

毎エピソードで心に残ったシーンをまとめる。

#1 ROMANCE DOWN

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「男の勲章は傷じゃない、傷に隠れた経験だ」

byシャンクス

傷やケガがかっこよくて、見せびらかしたくなる。

なぜ傷がカッコいいかと言うと、行動や経験がないと得られない勲章だから。

傷自体がカッコいいのではなく、傷を負ったその過程に価値がある。

#2 THE MAN IN THE STRAW HAT

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「目指す道が楽すぎると思ったら、その道は間違ってる」

byシャンクス

冒険家ならではの言葉。

楽すぎる時点で、目指す道ではなく、既に存在する道。

いばらな道のその先に欲しいものがある。

#3 TELL NO TALES

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「人の価値を決めるのは経験じゃない、経験から何を得るかが重要だ」

byガープ

人の価値は傷ではなく経験。でもなく、そこから何を学ぶか。

経験から何を学び、どう活かすのか。

「お金があると心に余裕ができる。たいていの人は自分の事で精一杯。」

byナミ

余裕があると背筋が伸び、視野が広がる。

その余裕の一つにお金という概念もある。

#4 THE PIPATES ARE COMING

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「私、ロロノア・ゾロはここに誓う。毎日欠かさず鍛錬し、くいなをぶっ飛ばす。

私、霜月くいなはここに誓う。毎日欠かさず鍛えて、ゾロをぶっ飛ばす。

誓いを守ればどっちかが世界一の剣豪になる。大剣豪だ。」

byゾロ&くいな

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「海賊には平穏も計画も必要ねえ、冒険と自由があればいい」

byルフィ

ルフィは自由を求めて、したい時にしたい事をする。

何にも縛られず、ワクワクする方へ。

#5 EAT AT BARATIE!

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「後悔はしねえ、前しか見ねえ」

byルフィ

過去は考えず、進む方向である前しか見据えないルフィ。

言い切る所がカッコいい。

#6 THE CHEF AND THE CHORE BOY

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「夢は見るもんじゃねえ、追いかけなきゃ意味がない」

byゼフ

夢は見ていても寄ってこない。

自ら追いかけてやっと距離が縮まる。

「俺、ロロノア・ゾロはお前のそばにいることを誓う。

今日からルフィが海賊王になるその日まで、最後の最後まで。

海軍でも海賊でも海獣でもかかってきやがれ。

お前は俺の船長だ。文句あるか海賊王」

byゾロ

#7 THE GIRL WITH THE SAWFISH TATTOO

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「もう諦めて行かせてやれ、変化は嫌でもやってくる。奴らの時代だ」

byゼフ

変化を受け入れること。

時代は変化する。自分も変わる必要がある。

#8 WORST IN THE EAST

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「ナミ、お前は俺の、俺たちの仲間だ」

byルフィ

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「命令に従うだけではだめだ。己の信念に従え。人にはそれぞれ正義がある。」

byガープ

ただ命令に従う犬になるのではなく、自分の信念を持つこと。

そしてその信念だけは貫くこと。

人の数だけ正義があることを理解する。

詳細

1話あたりに1800万円(約26億円)かかっているそう。

これはNetflix史上最高額。

キャスト

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ルフィ:イニャキ・ゴドイ

ゾロ:新田真剣佑

ナミ:エミリー・ラッド

ウソップ:ジェイコブ・ロメロ・ギブソン

サンジ:タズ・スカイラー

【LIGHT HOUSE】俺はこんなもんじゃない

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生き辛い― 生きづらい―

学生時代からずっと感じている事。

 

死にたいわけでも不幸だと思っているわけでもない、ただ何か居心地が悪い。

そのモヤモヤを理解できたような、代わりに言語化してくれたような、そんな番組に出会った。

 

人を照らす灯台。その灯台の下は暗い。

Netflixで『LIGHT HOUSE』を見た感想をまとめる。

LIGHT HOUSE

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オードリー若林と、星野源

お笑い、MC、執筆、音楽、芝居…。

多彩な二人が「悩み」をテーマに2人だけでトークする新番組。

総合演出である佐久間宜行が

①悩める人々の明かりを照らす

②そんな自分たちの足元は暗い

というふたつの意味を込めて『LIGHT HOUSE(灯台)』というユニット名を授ける。

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流れはおおむね自由で、

「悩み」をテーマに話すこと、月に1回集まって話すことを6回行う。

というルールだけが設けられてスタート。

ワンエピソード40分程度で、全6話。

ここでは若林正恭を若、星野源を星と呼ぶ。

#1 暗黒時代

2022年10月17日。

舞台は杉並区、阿佐ヶ谷。ふたりが何者でもなかった20代を過ごした地。

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星野源は20歳~23歳まで阿佐ヶ谷、6畳一間の家賃3万5千円の木造アパートに住んでいた。

スタジオを借りるにもお金がかかるから、アコースティックギターにタオルをかませて響かないように小さな音で作ったのが『ばらばら』という曲。

 

星も若も阿佐ヶ谷には辛い思いしかなく、怨念を思い出すと言っていた。

土地に当時の感情が根づいていて、決して美談ではなく鬱々とした気持ちを素直に吐いていくふたりがかっこよく映った。

一行日記【2022年10月】

本番組の名物企画「一行日記」

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これは、1か月に考えた悩みや日常の出来事を短く記した日記で、ふたりの鋭角な感性、ワードチョイスが何とも面白かった。

ストレスと多様性

星『大人になってもストレスが一向に減らない』

大人になるともっと朗らかになると思っていたけれど、実際に大人になってみると言っちゃいけないことが多い。

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大人な世界には上手く騙す人が多くて、ストレスがないフリも必要になってくる。

総じて、考えること気にすることが多く、それがどうしようもなくストレス。

若『自分で謙虚と言う人に限って傲慢で、傲慢という人は謙虚。それと同じで、人の多様性を大切にしてるって自分で言う人はしてなくて、多様性って難しいよねって言ってる人は多様性を重んじている』

“多様性”に敏感になったこの時代。

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明るい場所に虫のようにひたすら進んでいくピース綾部に言われた

「お前そっちだもんな」

が若林の中ですごく安心する言葉になっているよう。

明るい場を好んで進んでいく人もいれば、ラジオの様なクローズドな環境が落ち着く人もいる。

 

私が思うに、星や若のようにクリエイトする側の人間は闇を好むイメージがある。

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どっちがいいも悪いもなく、人の数だけ選択の余地を認めることが必要だと、そう感じた。

そしてそれを理解して「お前そっちだもんな」と言えて初めて“多様な社会”になる。

自分と世界を繋ぎ止めるもの

星『仕事が1つ行き詰まると未来が全部消えたような感覚になる』

これは過去にルーツがあるらしく、学生の頃から表現を介して友達とコミュニケーションを取ってきた。(ギターのコピーを聞いてもらう等)

言葉や純粋なコミュニケーションが苦手で、“表現”を介さないと人と繋がれないから、

それが行き詰まると一気に独りになる感覚があると言う。

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若『ネタが浮かばない、もう22年目』

若も星に繋がる所があり、漫才がダメだと世界とつながる術がないと言う。

だからこれが出来ないと死ぬしかない。

これはストイックでもなんでもなく、他に方法がないから、そうするしかない。

星『必要とされていないと感じても楽しく生きられる人でありたい』

本当はこの世の中にあるもの全部どうでもいいはずで、楽しく好きなように生きていいのに、そうできない何かがある。

自分の創作で、いい意味でどうでもよくなれるものを作りたいと星は言う。

若も同じ考えをもっていて、希望や夢が見つからないお客さんがいた時に、答えとかやる気を出させるのではなく、それを無化する漫才がしたいと言っていた。

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昇華ではなく、お笑いがバカバカしすぎて悩みが無化されるようなそんな漫才が若林の理想。

阿佐ヶ谷に住んでいた鬱々としていた自分に届ける気持ちで今の創作に励んでいるよう。

渇きは恐怖でありパワー

今の芸人はシェアハウスをしていたり、十分楽しんでいる。

自分たちの頃は世の中に恨みしかなかったが、世界と繋がる為のこの渇きが恐怖であり、パワーでもある。

この渇きがなくなった後の自分の作品が想像つかず、自分の受けてきた傷でもってモノを作ってきている。

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星は人からつけられたイメージをふざけんなと、剥がして生きてきた人生。

人間は変化が苦手な生き物だけど、他人からのイメージはもっと壊していいし、壊してナンボ。

前髪をセンター分けに変えただけでネガティブな反応が生まれ、それに対して「うるせーよ」「俺がしたくてしてる」と、反発できるかどうか。

それを渇きとして、創作に変えていく。

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答えの出ないことをどうにかしたいときに、星は歌にする方法を取る。

モヤッとしたそのものに歌詞とメロディをつけて圧縮して届けると、昇華されるという。

作品にして世に放つイメージ。

その後は生み出された作品が自立して世で勝手に生きていく。

灯台 / 星野源

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闇に光る 仄かな灯 

瞬き 消えない

照らす その足元は暗い

見えない 行けない

息ができず 飛び出した

鼠の匂い満ちた 路地裏を走った

何にも 何にもない

お前ら全員死ねばいいと ブランコで揺れた

春を見上ぐ 雲間の奥に光る

 

恐怖でありパワー灯

瞬き 消えない

照らす その足元は暗い

見えない 行けない

無理やり 既に持たされた

夢を入れる箱を

急いで入れなくちゃ

何にも 何にもない

君はくて良いねなんて

知らねえよカスが

もし僕が明日死んだら

それが一生なんだ

 

闇に燃える 独りの灯

手を振り 追いかけても

光 その足元は暗く

見えない 行けない 灯台

誰も救おうと思うな

ただ光ってろ

ここで死んだらそれが一生

「君は若くて良いねなんて知らねえよカスが もし僕が明日死んだらそれが一生なんだ」

若もこの感覚はもっていて、阿佐ヶ谷に住んでいた当時は輝かしい未来が見えなかった。

それくらい繊細で、冷静に客観視できていたんだと思う。

自転車は漕いだら目的地に着くけれど、当時は漕いでも着くかどうかが分からなかった。

星若春日

赤文字にしたけれど、星、若、春日が詞に登場している。

#1の曲には星と若と春日が、#6の曲には星が登場する。

#2 東京~光と闇~

2022年11月14日。

舞台は港区、虎ノ門。一泊200万円、ホテルの36階。

前回の阿佐ヶ谷とは打って変わって大都会、THE東京。

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開始早々。この景色が当てつけとなってルサンチマン(嫉妬)を掻き立て、あのNetflixでもピーが入るくらいの激しい言葉が星から吐かれる。

闇の世界に居るとより深い闇へ入っていき、光の下に晒されると反発で大きい闇を作り出す。

阿佐ヶ谷高円寺では若い頃の恨み、東京では遊んでいる奴らへの恨み、こうやって恨みを使い分けてエネルギーに変えている。

そんなふたりに無限の可能性を感じる。

そして自分にも近いものを感じる。

超えられないと思いながら続けてる

新ネタ。ファンからしたら“新ネタ”というフレッシュさが加わって+5点くらいだけど、こればっかりは自分自身の感覚で、イタコ漫才という最高のネタを超えられないと思いつつ続ける辛さを若が語る。

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一方、星はその感覚はない。

あの方向で、あれ以上のものはない。あの尺、あの演奏、あの時代…。

そうやって一瞬あほに、無責任になりながら新たに創造を繰り返している。

一行日記【2022年11月】

若『前回、夢や希望が持てない若者に感情移入できなくてすごく寂しかった』

今はどこに行くにも人の目があり、「見ないでよ」が出来なくなっている。

異端になると潰されるから、集団の中でどう生き残るかを考えないといけない。

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昔はもっと緩やかな潰され方だったけど、今はイタかったり尖がっていることに対して、すぐにツッコミが入ってしまう。

故に夢を語りづらいし、尖りづらい。丸まりやすい時代になってきている。

星『みんなが賞賛する人が自分の好きじゃない人だったとき、その自分をどう受容するか』

「最低」と思った人が意外と世間で評価されていたりする。

けど、その悪い面は現場しか知らないからしょうがないこと。

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しょうがないけど、でも自分は知っていて、そんなもやもやの処理の仕方が分からないというぼやき。

若『なぜそんなに家事を分担しているのを聞くカンペを出すのだろう』

多様性、男女平等が声を大きくしている現代で、それを象徴するように“家事の分担”を語らせたがる番組サイド。

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この質問のゴールは①分担していて感心する②旦那がやらなくて皆にボコボコに言われる、のふた通りしかない。

そんな浅い質問を繰り返す“多様性もどき”に若が一石を投じた。

自分の手の届く範囲

SNSのコメントは見ている人の0.01%しか書き込まないと若が言う。

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実際に調べてみると、

Instagram:1.22%

X(旧Twitter):5.0-6.0%

Facebook:0.5-2.0%

YouTube:0.39%

 各SNS エンゲージメント率

となっていた。

いずれにしても、その割合は極めて低い。

コメントや世間の意見に耳を傾けて自分を曲げるのではなく、自分や周りにいる人の感覚を信じたほうがまだ精度が高い。

だいたいのことは淡さの中にある

匿名のSNSでしか本音が言えない

という悩み。

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これに対して、星が核心的な一言。

そもそもSNSで言うことが本音だと思っているのが間違いで、SNSでの発言は表現。

人に見られる可能性があるものは自分の本音じゃないと言い放った。

 

自分の本音を、ひとりになって改めて考えてみて、それを恥じるのではなく認めてあげる。

「嫌われたくない」ことを恥じて隠すのではなく、「嫌われない」ためにできることは何?まで深掘りする必要がある。

 

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“最適解”と“間違ってる”の二項対立にしたがるけれど、だいたいのことは淡さにある。

グラデーションで物事を考える事。

『解答者 / 星野源

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街を包む 夜の中に

確かめてる 私の意味

見栄を包む 笑みに見せる

壊れかけてる 心の隅

どれが正しいか それだけで

歩く道が 幅を狭めた

いつまでこうした日を 過ごしていくのだろう

生まれて消えて行くの 悲しみが

「喜びもある」

そうね わかっているのにな

いつもさ わかることがわからないよな

 

割れた画面の恥の光

比べ滲む 滲まぬ数字

いつまでこうした日を 過ごしていくのだろう

生まれて消えて行くの 憎しみが

「ありのままでいい」

そうね 黙ってくれるかな

いつかは わかることができるのかな

いつまでこうした日を 過ごしていくのだろう

生まれて消えて行くの 悲しみが

「喜びもある」

そうね わかっているのにな

いつもさ わかることがわからないよな

わかることがわからない

みんな「分かるわ」って言ってくれるけど、本当にわかってる?と思うことがあると。

人の気持ちをわかっているような気がするけれど、本当は分かっていないという意味を込めた詞。

#3 Christmas プレゼント

2022年12月25日。

舞台は足立区、昭和の家。こたつで迎えるクリスマス。

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パパ活する港区女子にだけはなって欲しくない、一歳児をもつ若林パパ。

そのために小さいクリスマスツリーから徐々に大きくしていく方針で、いきなり大きいクリスマスツリーを飾ってしまうと港区女子になるというなんとも若らしい話からクリスマス編がスタート。

時代にブレず走っていく

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「芸が車で 雨が時代」

若が先輩に言われた印象深い一言。

 

皆「雨が降ってきた」というが、雨はその場でずっと降っていて、そこに車が辿り着いただけ。

そこで“時代と言う雨”に当たるかはわからないから、車として芸は時代にブレずに走っておけ。

その時には周りが勝手に“時代が来た”と言っている。

 

まさにその通りで、他責ではなく自責。

良いも悪いも全部自分の責任。自分で自分の人生を動かしている感を忘れるな、と解釈。

 

星が今に至ったきっかけは病気。

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ずっとR&B(リズム&ブルース)が好きだったけど、フェイス等の要因で自分には似合わないと思っていた星。

ある時、くも膜下出血で倒れて生死を彷徨う。

その時に勇気を与えたのがR&Bの音楽。

これはやれってことだと思い、トライして今に至る。

一行日記【2022年12月】

若『今の若林が何をすればいいのか、誰でもいいから頼むから教えてくれ』

幸せは幸せ。でも毎日がつまらない、全然おもしろくない。

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劣等感があった時はそれを燃焼させることに必死だった。

「目にモノ言わせてやる」「悔しい」

こういった気持ちが薄くなってきてどうやってモノづくりの炎を維持するか。

春日はテレビタレントとして完成されてきて、一人でも充分やっていける。

よって、自分が何をしたらいいかが分からない、と若。

 

星がまたも核心を突く。

「飽きたんじゃないですか?」

若が、自分では薄々気付いていながらずっと言えなかったこと。

責任、周りにいる人、家族、今までやってきたこと、今の幸せな状態…。

これらすべてが「飽きた」という事実を抑える要因になっていた。

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星は「小さく飽きて、違う所に行く」を繰り返してきた人生。

今まで行ったことのない場所に行きたいタイプで、同じことの繰り返しだと壊れてしまう。

ただ、責任、手放せない人、家族…。

一定の場所に暫く居ると新しい場所に行けない要素で固められていく。

若『もう行きたい所がどこにもない 自分で作るしかない』

オールナイトニッポン55周年で星がトラック、若がラップを作って記念ジングルを制作。

「芸人がラップなんて…」と世間の目を気にしながらレコーディングスタジオに向かってハンドルを握ってる時、ワクワクしている自分に気付く。

撮り終えた後も「今日は行きたい所に行った」と、満足感が高かった。

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いつもは「行きたくなくはない」けど、「行きたくもない」、ワクワクしていない。

行きたい場所は作るしかないし、作ることはできると実感したエピソード。

 

星も同じことを思っていて、歌詞にも同じ様な一節が。

あなたと 探し諦めた

私の居場所は作るものだった

 『喜劇 / 星野源

そもそもファミリーやコミュニティーに入るのが苦手で、居場所がない。

だからこそ自ら何かをやり始めて、最初は新鮮でも安定すると繰り返しになっていく。

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そこにはいられないという気持ちになって、出て行って新しい事を始める。

居場所は自分で作ったけれど、そこにチームが生まれて責任も生まれる。

それによって離れにくい状況が増えていく。

人は同じことを繰り返せる人と繰り返せない人がいて、自分は後者だと気付けたときに少し気が楽になったという。

新しい踏み出し方をこの状況で作ればいいという気持ちになる。

未来への期待と今の幸せ

ドーパミンは興奮物質ではなく期待物質で、「このあとどうなるんだろう」で出る。

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慣れるともっと欲しくなる。

するともっと期待感のある環境を求める。

ここに際限はない。

 

けれど、今の幸せ(セロトニン)と未来への期待(ドーパミン)は明確に分離されている。

それがわかると、未来の期待に依存しすぎずに、これらを両輪でバランスを取っていくことが大事だと気付ける。

『仲間はずれ / 星野源

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生まれ 初めの数秒

自由はそこまでと言うの

椅子取り 繰り返すと 血の染みる足元

長く椅子に座れぬ 同じ場所じゃ壊れる

移ろう人は置いていく 常識は老いていく

君の舵を取れ 誰かの視線に唾を撒け

未開の闇に舵を切る 独りになる

そこは座れる 仲間はずれありがとう

 

切り捨てられ 気付くと

自由を手にしてる

出会う 掛け替えのない個

上を目指す鬼ども 宝島はしょぼいもの

幸福は2秒前の温もりに隠れる

生活の波間で輝く羨みに背を向け

心の愛の舵を取れ 自分の視線に唾を吐け

未開の闇に舵を切る 独りになる

そこに座り 灯りとなる

#4 サプライズライブ

2023年2月11日。

舞台は豊島区、池袋。100人の観客が入ったリアルタイムなLIGHT HOUSE。

ゲストに誰が来るかを知らずに集まった100人の観客。

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エンターテイナー若林はその方が燃えると、ワクワクしているように見えた。

 

LIGHT HOUSEの収録ということで、情報公開日までは漏洩禁止。

是非この秘密をひとりで抱えて、同じサイズの十字架を背負って生きて下さい。

と、星&若が冒頭に発言。

 

面白可笑しい雰囲気だったけれど、今までのエピソードを振り返ってこの発言を見ると、芸能人とか歌手の、いわゆる業界人は世間のイメージと本当のその人とのギャップを知っているだけに、こういった十字架が大きいんだろうなと感じた。

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これも、負担になる人とそうじゃない人がいて、負担に感じる人がそのモヤモヤを作品にすることで発散しているんだと思う。

そんな繊細なふたりが好きだ。

記事を書くために何度も番組を見返し、ここまで7500字書いてきたことで愛情が溢れてくる。

表現の原点

お客さんと同じ空間で声が返ってくるとお客さんと溶け合う感覚になるらしく、表現の原点はこういう舞台にあると語っていた。

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そここそが自分の救われる場であり、傷つく場になることもある。

けど、あってよかったと、若にとっての生きがいの象徴のような場なんだと思った。

一行日記【2023年2月】

若はやっぱり、お客さんが入るとギアが少し変わる。

若『強くなければ次のステージに行けないけど、強くなると人に寄り添えなくなる』

多様なお笑い、考え方を受け入れながら番組をやりたいけれど、自分のお笑いの価値観とか教科書を他の芸人に押し付ける強さがないと上に行けない。

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自分の望む世界を築くためには、まず物理的な強さで勝つ必要がある。

物理的に強くなるために総合格闘技に通い、気が強くなった若。

けど、強くなるとスタイルが崩れる。

弱い人に寄り添えなくなり、喝を入れたくなる。

自分のスタイルはセカンドの七番。(=ピッチャーで四番じゃないという意)

人に寄り添って耳を傾けていくスタイルだと気付く。

けれど、ヤンキー関西芸人に縮こまっているのも腹が立つ。

けれど、関東陰キャ芸人としては強くなる道じゃないという結論に至る。

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ここに至るまでにも、おでこくらい出してみようとセンター分けをしてみたり、ピアスを空けてみたり、40代で金髪にしようとしてみたり、たくさんの過程を経てきている。

 

こうやって自分の手に入れたいものがあって、そのために考えて悩んでもがいて、行動して、その結果気付きを得て…という過程を経ている人は輝いている。かっこいい。

星『後輩のミュージシャンに「源さん目指してます、ゆくゆくは役者もやりたいんですよね」と言われると、そのロールモデルは俺じゃないから俺にはなれないよ、と思う』

星は昔からずっと役者と音楽の二軸でやってきていて、音楽で成功して役者に挑戦したわけじゃない。

結局人は過程を重要視せず、結果しか見ていない。

真実は、過程という闇を進んだ先に結果という光に当たる。

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そこ(結果)しか見ていないから順風満帆に見えて、ひがむ。

もう少し調べればいい景色が広がると、言っていた。

若『お笑いを語ることをマニアがジャンルを潰すという人がいるけれど、まさにお前が1つのジャンルを潰そうとしているマニアだと気付け』

お笑いのプロセスを語るのがダサいと思っている少し前の世代がいて、ネタ作りたい、モテたいでいいじゃんという考え。

若は語ってナンボだと思っていて、熱量があるから面白くなる。

本気になっているところにお笑いは生まれ、本気で挑んでいるからこそ面白い話が生まれる。

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議論があるから盛り上がる。

語りたい人そうじゃない人がいて、その両者の間にグレーゾーンが生まれるからこそ価値があるのに、それを完全に否定しに行く人がいる。

自分が加害者であることには意外と気付けなくて、ブスブス矢は刺さるけど、平然とした顔で前に進んでいきたいと、若は言う。

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ここまで聞いていて、若は欲しいもの、作りたい場所があるからこそ強くなろうとしていると感じる。

かつての自分たちのように弱い自分、場になじめない人にとって優しい世界を作るためには、矛盾するようだけど、まずは自分が強くならなきゃと思っていて、それが故のここまでの悩みなんだと思った。かっこいい。

独りとは育ての期間

ここで観客から集めた悩みのコーナー。

客『好きな音楽はメタルなのに、恐そうな人間だと思われたくなくて藤井風も好きな明るい人のフリをしてしまう』

メタルが好きと言うと茶化されたり、理解をしてもらえなくてなかなか人に言えないという28歳女性。

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これに星が経験をもとに金言。

幼い頃、星の家では渋いジャズがかかっていて、星はジャズが好きだった。

周りの子はアニソンやヒットチャートを好んで聞いていて、趣味が合わないから共有が出来ない。

ただ、“1人で好きな音楽を聴いてる時”だけはかけがえのない時間で、研究し愛することによって、環境と繋がっているような不思議な感覚があった。

周りに流されず均されず、それを続けていくことで後から同じことを感じる人に出会えるようになって、膨れ上がった愛を少しずつ共有することでさらに幸せになっていった。

人が好きなものをイジるような人に価値はなくて、そんな奴らのために自分を変える必要はない。

“シェア”という言葉が使われる現代で、「共有しなきゃいけない」と思うかもしれないけど、自分の中で育てたり、深めるのはすごく大切なこと。

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若も後押し。

イジってくるやつなんかカラオケで“人気ランキング”で歌うようなやつ。

「みんな歌ってるから歌おうかな」の中身のないやつ。

この強い言葉に若のパワーの源が隠れていると思っていて、他人にどんなことを言われても自分を曲げるのではなく、「うるせえ」と思える才能。

自分のやっていることがあっていて、相手が間違っていると思い込める才能。

そして、「うるせえ」と言ったが最後、その自分を正当化するべく動く。

という自分をブレさせず、負の感情をパワーに変えるマインドが一級品だと感じた。

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星も若も、クリエイトする過程でインプットアウトプットを何周も何周も繰り返していて、その結果自分軸がハッキリして、こういう刺さる言葉が出せている。

誰よりもブレたからこそ誰よりもブレないように見える。

結果だけを見て憧れるのでは、浅い。

『Orange / 星野源&若林正恭

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覚めた 湿気の君は 暇なプールの中だ

いたた あの頃見た 傷は未だここさ

 歩くだけでタイムリープ90年代

 学ラン腰履き坊主にタオル今考えるとダサい

 メットとショルダー脱いだら放課後やること何もない

 太田と田中が焼肉屋に居るすぐさま雀荘飛び出す

 色紙チャリのカゴに入れてペダル踏み込む

 途中で着信太田は帰って田中まだいる

 迷ってやっぱり家に帰った話を検索ちゃんでしたけれど

 笑ってなかった集めたん笑ってなかった田中さん

 阿佐ヶ谷 高円寺 夕方 オレンジ

 妬み嫉み恨み辛みこびりつくこの道

 阿佐ヶ谷 高円寺 夕方 オレンジ

 栄光に向かって走る列車

 休日運転通過していく

売れた 嫉妬の中は 静か 宇宙の中だ

居たな あの日泣いた 君は今もここだ

 100円5分コインシャワー時間短い

 帰りの向かい風ドライヤー10円勿体ない

 100円ショップ半額おにぎりアパート住人同士取り合い

 結果は出ない腐っても鯛お前が正しくても聞かない

 真夜中ルサンチマン叩いて作ったデロリアン阿佐ヶ谷イチ抜けた

 あんたもそうだろ?ファンクの源さん!

 たいしたもんだろ?前健さん

 今思えば単なるワンシーン増えてく分かりにくい悩み

 有村昆にも見て欲しい LET'S rool LIGHTHOUSE#1

阿佐ヶ谷 高円寺 朝方 オレンジ (ラタタ…)

クリアした後のRPG 彷徨い続ける線路沿い (ラタタ…)

阿佐ヶ谷 高円寺 朝方 オレンジ (ラタタ…)

クリアした後も積む経験値 総武線乗って水道橋 (ラタタ…)

阿佐ヶ谷 高円寺 (雨と)

朝方 オレンジ (荒れた朝に)

妬み 嫉み 恨み 辛み (妬み)

塗り替える この道 (後悔をした)

阿佐ヶ谷 高円寺 (みっけた)

朝方 オレンジ (あの頃に居た)

二人 背中 光 浴びて (君は)

歌い歩く この道 (今だ この道)

増えてく分かりにくい悩み

今の悩みは共感されづらく、数人にしか共有できない。

そういう悩みを嚙み砕いたり、言葉で広く持たせたりしながら表現をしていく。

年齢を重ねる難しさを感じるけれど、チャレンジもしたい。

 

40代でこれを恥ずかしげもなく言えるのがどうしようもなくかっこいい。

#5 ドライブと決意

2023年5月6日。

舞台は渋谷区、千駄ヶ谷。社内でふたりきりのトーク

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楽しいも最悪も、同じこと

漫才をやっていてどうしても客席に中指を立てたくなる若。

限界を迎えて壊れる寸前だった頃の星。

どこか感性の似ているふたりは楽しさの絶頂で突き放したい衝動に駆られる。

傷を作品に変えるのはそれほどの作業、相当のパワーを使う。

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そんな若を救うのが星の曲。

I just thought it'd be fun

楽しそうって思うのも

Went nhrough a whole lot so fuck this

最悪だって思うのも

They all mean the same thing, you know

どっちも同じことなんだ

We alright, change it up, do your thing

それで大丈夫 それでいい

 『Same Thing / 星野源 feat.Superorganism』

+10も−10も、原点からの振れ幅は同じ10。

そこに良いも悪いもない。という解釈。

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10m先に人がいて、50m先にいる用の声を出されると遠くに感じる。

それと同じで、ドーム公演をやるにあたって、大きくなればなるほど遠くに感じてしまうもの。

舞台が大きくなればなるほど、表現を大きくせずに届けることを意識して、星は武道館にも普段着っぽくパーカーで登場するし、必要以上に叫んだり演出を大きくしないという。

一行日記【2023年5月】

星「創作には孤独が必要だが、行き詰まったこう着状態を解くのは妻、または他人。」

エッセイや歌詞など、ゼロイチの創作には孤独が必要。

ひとりきりの時にゼロイチが生まれる。

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1を100,1000,10000にしていく中で行き詰まって何も出てこなくなった時に妻が帰ってきて「おかえり」と言うと、停滞・こう着していた脳がフル回転して考えが出てくることがあると言っていた。

ひとりきりの空間から家族が帰ってくることで、風の通りが良くなる。

結局表現はコミュニケーションで、コミュニケーションを取ることで刺激されて生み出せるという結論に至っていた。

 

振り返るとアイデアは、ひとりで何時間も机に向かっている時ではなく、歯磨きをしたり、コンビニに行ったり散歩をしたり、そういったふとした時にパッと浮かぶ。

外部の刺激を入れた方が浮かんでくる。

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けれど、一人でグルグルと何時間も回している時間があるからこそ、外部刺激で花開くのであって、そこに苦しみやもがきは必要条件である。

ひとりでゼロイチを生んで、1を2に、2を3に、そうやって地道な作業をした先に外部が働き、唐突に100,1000と増えることがある。

若『人間は社会的動物で、自分は社会性がない。これに尽きる。』

テレビやバラエティでは夢中になっている人は強い。

熱湯風呂やドッキリにおいて、「熱い」「嫌だ」と本気で思っているから面白い。

ここで若は、自分がやるのは珍しいと思われてるな…どんなリアクションだったら…と考えるからあまり跳ねない。

出川や狩野みたいな視野の狭い人はずっと夢中だから面白い。

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若は学生時代から当事者というより来訪者として行事などに参加していて、世の中に生きているのも来訪者という立場でいる。

ここまでのLIGHT HOUSEで自分はこれでいい、そのままでいこうと腹をくくれた期間だったと言っていた。

宇宙人感があって、周りの事を自分と違う生物として外から見ることで角度の意見が言える。

ここに気付くまでは“周りと違う自分”に思う所はあっただろうと思うけど、いつか腑に落ちるその時まで、私も模索を続けようと思う。

若『どんどんステレオタイプの芸人から離れていっている気がする』

THEお笑い芸人に見られたくて、イジりイジられ、恥かいて汗かいていきたいと思っていたけれど、結局ここまでそういう仕事はあんまり来なかった。

ドッキリはかわいそうで見ていられないし、大勢のひな壇の中から勇気を出して前に出ることも出来なかった。

結果、ドームでお笑いライブをやるという誰も目指していない所に辿り着いていて、それが新しいチャレンジで、若と春日の道と語る。

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“お笑い芸人”というイメージに捉われるのではなく、“オードリーらしさ”を追いかける。

誰よりもお笑いを考え、悩みぬいたその結果が、自分たちオリジナルの“オードリーらしさ”を確立することに繋がっている。

#6 LIGHT HOUSE

2023年5月6日。

舞台は神奈川県、三浦海岸。カフェで最終回トーク

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LIGHT HOUSE#1からここまで8か月が経過。

若にとってこの8か月が過渡期で、星との対話を通して中年仕様の走り方が完成されたという。

21歳でお笑いを始め、44歳の現在までエンジン・ギアを変える感覚はなかったものの、ここで明確に走り方が定まる。

若にとってあちこちオードリーが行き着く場所で、フォームを崩し、総合格闘技に通い、悩みもがいて、LIGHT HOUSEが開始。ここでやっと気持ちが決まる。

どれくらい先の未来を見据えるか

「どれくらい先の未来を見据えているか」

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この質問に対し星は、全く見据えていないと答える。

手短な目標がなく、“なったことのない自分”になりたい一心。

その時にならないとそれがどんな自分か分からないから、必死に今やれることをやる。

未来は分からないけど、分からないなりにお先真っ暗な中に全力で進んでいきたい。

という、ここまで5話見てきてなんとも星野源らしい回答だった。

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これに対し若は、流されていくと答える。

テレビは水物で流れていくが、ライブは見に来てくれた人の記憶に残り続ける。

ドーム公演後は50歳まで毎年武道館ライブをやりたいと、若。

ただ、これもドームを目指してやってきたわけじゃなく、降って湧いた話。

ドームも、このLIGHT HOUSEも、縁があって流されてきた結果の産物。

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だからこれからも流されながら行こうと思う一方、目印がないと見失うからシンボルとしてラジオは置いておくよう。

一行日記【未来の自分が書いていそうな事】

最終回の一行日記は、未来の自分が書いていそうな一行日記。

この5か月間は“リアルタイムの悩み”にフォーカスして、ラストは“未来を見る”

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そうすることで二人の今後の指針を定めようという、佐久間さんの構想かなと思ったが、やり手にはやり手たる所以とはこういうこと。

若「相方が今もテレビに楽しそうに出演しているのを見ると怖くなる」

 10年後の一行日記

テレビは陽の社会的集団のシンボルで、そこに異分子として存在するのが若。

10年後はテレビに出ていなくて、じゃあ何するかを流されながら見つけていく、と未来を想像していた。いや、創造していた。

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阿佐ヶ谷時代は年上に挑んでいくから物語として盛り上がる展開だった。

ただ、今は自分が上の立場になり、年下に戦っていると見えないように戦わないといけなくて、それが難しい。

戦っているように見えてしまうと痛々しくて笑えないけど、「やっぱり強い」と思われなくては番組自体が締まらない。

そんな難しい場所に位置する若の葛藤物語が今後始まる。

星「なんであんなに悩んだり苦しんだりしていたんだろう」

10年前も悩んでいただろうし、今も悩んでる。から、10年後も悩むだろうけど、日々どんなに真っ暗になっても、10年後には忘れている。

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#1で阿佐ヶ谷の話をした時、楽しめた自分がいて、当時は楽しくもなんともなかったのに過去の意味が変わるという経験。

だから今自分が抱えている誰にも共感してもらえないしんどさも人生の伏線として考えると楽しくなる。

20代の頃は悩んでいることがエンタメになるなんて思っていなくて、こうなった経験から、悩みに対するスタンスが変わるかもしれない。

「生きてみるもんだな」と若林。

この言葉は闇を知らないと、その闇を抜けないと出ない言葉で、今20代真っ只中の私は20年後にこの言葉が言えるように、進む。

星「もう120歳じゃが、一向にストレスが減らんぞい」

結局未来でも悩んでいて、これをずっと繰り返す。

若「俺はこんなもんじゃない

今44歳で、自分がこんなもんだと分かっていて、でもこんなもんじゃないと思っている。

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「中学から学校で目立つ奴らがいて、面白いとされてるけど、お前らは大したことないと思ってる。でも俺はこんなもんじゃないんだぞと思ってるんだけど、目も付けられたくもないからビクビクしてる。」

芸能界でも同じことをしている若。

 

ずっとビクビクしながら「こんなもんじゃない」って生きていく。

でもこれでいいじゃないか、と言う気持ちもあって、「こんなもんじゃない」と叫んで行動してきたからこそ今がある。

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これは、人に対してだけじゃなく、場所に対してもそう。

自分が築いた城であっても、ずっと同じ場所にいると「俺はこんなもんじゃないウイルス」が増殖してきて次の場所へ行きたくなる。

多分星も若も、人に自分の限界を決められるのが嫌で、脳内で仮想の敵を作ってそれに悪態ついて戦っているように感じた。

漕いだ先に吹く風

海で足で漕いで進む乗り物の話。

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沖で沢山漕いでいるんだけど、進んだ距離はほとんど潮の流れ。

もがいたけど、漕いだ動力というよりは周りの人の縁とか風と潮の流れで今の位置まで来ている。

でも漕いでいないとダメで、「こんなもんじゃない」って「こんなもん」なのに漕いだ先に風が吹いて、流れに乗る。

『しかたなく踊る / 星野源

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なんにも解決して ないけれど

海 来てみたんだ僕ら

微量の夢 潮騒が 命を 少し繋いだんだ

今はやがて 朧げな そう不確かなエピソードだ

波に揺れるざらめ 闇を絡め海に溶け出し

針は進んだ 毎日が生まれた

仕方なくさ 今もまだ生きてるんだ

素晴らしいさ このクソの中で

しょうがなくさ 息をしては踊るんだ

照れながらさ 笑い合うダンスを

100年後も 意外!まだ生きてるんだ

悩み合った この星の中で

僕らいつこんなもんじゃない

ただ照らした

歌い出す日々を 笑い合うダンスを

星野源

青字にしたとおり、星が登場。

始まりの阿佐ヶ谷では星野と若林と春日が、終わりの灯台では星野が曲に登場。

こうしてLIGHT HOUSEは幕を閉じた。

【マイ・インターン】ハンカチは貸すためにある

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カッコいいかどうか。普段、私が選択の際に基準としていること。

“カッコいい”にもいろんなカッコよさがある。

20代の今のうちに多くのものに触れて、自分にとっての“カッコいい像”を鮮明にしていく。

 

その一翼を担うのが映画であり、エンタメである。

『マイインターン』を見た感想をまとめたい。

エンタメの楽しみ方

まず、エンタメの楽しみ方について、持論を述べる。

例えば映画。

楽しみ方は三段階あると思ってる。

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①予告やクチコミ、あらすじを確認

②実際に視聴

③考察やレビューに触れる

視聴して、自分なりに感じたことや学びを得る。

その後、考察やレビューを読むことでよりその作品をより深く理解する。

 

ここまでしてやっと、ひとつの映画を味わい切れると思っている。

ということで、まずは私がこの映画を観て感じたことを、次に考察を見て感じたことをまとめたい。

あらすじ

まずはマイインターンのあらすじから。

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若くしてファッションのネット通販サイトを立ち上げ、僅か一年半で会社を大きくした女性起業家ジュールズ・オースティンと、シニアインターンに応募し、70歳で再就職することになったベン・ウィテカー。このふたりが中心に描かれる。

ジュールズは若手女性起業家ならではの葛藤を抱えながら、誰にもその姿を見せずに強くあろうとする。

そこにやってきたシニアインターン生のベンが70歳にしか出せない紳士な振る舞い、人生経験からくるアドバイス、その説得力。

 

この映画からは、“視点を変えることの大切さ”と“ヴィンテージの味”を学んだ。

視点を変えてみる

今をときめくスタートアップ企業に、おじいちゃん。

そのおじいちゃんが味を出しまくっていて、特に“視点の切り替え”に焦点が置かれていた。

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ベンは気付きがいい。

ベテランの余裕なのか、周りをよく“見て”いて、その時に必要な行動を自ら取ることが出来る。

現状、自分の与えられた環境に甘んじることも愚痴をこぼすこともなく、その環境で自分が何をできるのか。

目で見て、脳で考えて、足を使って、行動に移せていた印象を受けた。

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与えられるではなく、考える。

「なぜ仕事をくれないか」ではなく、「どうすれば仕事をもらえるか」

現状への不満ではなく、今の自分にできる事。

 

そんな考え方の多面性に感銘を受けた。

ヴィンテージおじさん

ベンに対して「40歳も年上」と記載されていることからして、ジュールズは30歳。

30歳の社長に、70歳のインターン生。

このミスマッチが、上手く嚙み合っていく様がなかなか面白かった。

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現代×古風。

“古き良き、健在”と言わんばかりにベンが活躍する。

女性が涙したらハンカチを差し出す。

 「ハンカチは貸すためにある

家のネクタイは可動式のギミックに収納。

年代モノのアタッシュケース

器の大きさ。余裕感。

思わずヴィンテージに憧れてしまう程、ベンが格好いい。

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現代に溶け込み、うまく融合する古風。

互いを殺さず、活かしあう関係。

大人な余裕に魅了された。

 

絶対にいい雰囲気な状況でも、圧倒的な年齢差から交わることのないふたり。

互いに支え合いながら、それぞれのパートナーと向き合っていく姿。

干渉はするものの、保つ距離をわきまえる。

そんな大人なハートフル作品だったと私は感じた。

映画の細かい演出について

「いいものを見た。」

映画を観終わった直後の感想はこれだった。

いいものに触れると、深掘りしたくなるのが私の性。

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映画は、見て持論を固めてから、他の意見を取り入れるまでがワンセット。

他の意見に触れて、興味深いものがあったからここにまとめる。

①ジャケットを脱ぐ=CEOから降りる

②乗り物の変化は親密度の変化

③物語が動く合図はベル

④夫とベンの対比

⑤スマートなベン

①ベンの初仕事

ジュールズは70歳のシニアインターンを最初は受け入れない。

けど、70歳。若者の中にいると嫌でも目立つ。

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ベンに最初に与えられた仕事は醤油をこぼしたジュールズのジャケットのシミ抜きだった。

ベンがジュールズのもとにジャケットを受け取りに尋ねた際、ジュールズはCEO交代の話をされていて、目には涙。

まさにBadタイミング。

ジュールズはベンに泣き顔を見せないために脱いだジャケットをテーブルに滑らすように渡す。

 

このジャケットを脱ぐという行為が、CEOを降りることを示唆してるんだとか。

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確かに上着を脱ぐと、本気を出したと解釈されることもある。

そんな細かいところまで意図を持って作られているのか。

制作する側はそこまで考えているんだろうなというのが今のところの私の考え。

 

で、言うとジュールズは顔を背けながらジャケットを渡している。

ジャケットが自分の手放したくない役割(CEO)だとすると、業務の忙しさからして、この提案を受け入れなくてはいけないと、半ば諦めの様な、納得のいっていないような受け入れ方を表しているのかもしれない。

②社内で自転車移動

映画序盤のジュールズは、忙しさ故に社内を自転車で移動している。

“映画序盤の”という装飾語をつけたのは、中盤~終盤には全く自転車に乗らなくなるから。

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これは私も気付いていて、

「ただの印象付け演出だったのか~、設定の徹底はしてほしかったな」

という浅い考えで思考が停止していた。

 

物語が進むにつれ、自転車に乗るシーンが映し出されなくなるが、代わりに中盤になるとベンの運転する車に乗るシーンが増えてきて、終盤にはベンとふたりで飛行機に乗った。

自転車→自動車→飛行機

この移り変わりには3つの意味が隠されている。

Ⅰ.規模の変化 Ⅱ.運転手の変化 Ⅲ.行動範囲の変化

Ⅰ.規模の変化

まずは規模の変化。

自転車は1人乗り。自動車は4~5人乗り。飛行機は100人程。

人数としても、個体としても規模が大きくなっていっていることが分かる。

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これはそのまま会社の成長にリンクさせているのか、ベンとの関係性の変化を表しているのか。

Ⅱ.運転手の変化

次に運転手の変化。

自転車は自分で運転。自動車はベンの運転。飛行機はパイロットの操縦。

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自力で漕いでいたころから、身内・仲間に任せるようになり、最後にはプロに任せるようになっている。

 

自力で運転しているうちは手が塞がっているため、耳でスケジュールを聞くのが精一杯。運転を任せるとその時間に仕事も電話も出来るようになる。プロに任せると、仲間の手も空くため、仕事をすることも、話をして不安を和らげてもらうこともできる。

 

ジュールズが徐々に人に頼ることを覚えたという描写なのか、人との関わりを覚えてオープンマインドになっていく演出なのか。

いずれにせよ、緻密で秀逸な演出が為されている。

Ⅲ.行動範囲の変化

最後は行動範囲の変化。

自転車→自動車→飛行機の変化に合わせて、移動距離が明らかに変わる。

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移動範囲が増えるということは視野に入るモノヒトが増えるということ。

これも会社の成長なのか、オープンマインドなのか。

これらの比喩表現になっている。

③社内のベル

ジュールズの会社では、好成績やファインプレーをすると社内にあるベルが鳴らされて全社員に知らされ賞賛を受けるシステムが用意されている。

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これも序盤に説明があり、終盤に向けては鳴りを潜めて、登場しなくなった。

しかし、“社内のベル”こそ存在感を薄めたものの、“ベル”に着目すると様々な場面で登場する。

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この映画内でベルの担う役割は大きく、物語の変化するタイミングでベルが鳴らされていた。

社内で称賛のベル→住居侵入時の警報機→サンフランシスコでの火災報知器

サンフランシスコには、新しいCEOとの面談のために訪れており、そんな面談前夜に火災報知器が作動。

ジュールズが幸先悪いと言ってたように、ベルには何かの変化やきっかけを与えるヒントの様な役割をすることがある。

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この映画でのベルはジュールズからベンに対しての信頼構築の際に鳴らされている。

Ⅰ.社内の物置き場化したデスクを片付けたシーン

 ベンの存在を肯定するきっかけ

Ⅱ.母の家に侵入し、危険を冒して危機を脱したシーン

 ベンへの信頼が確信に変わる

Ⅲ.サンフランシスコでの面談前夜

 ベンに弱みを見せる、かけがえのない存在へ

こうやってまとめると、そうとしか思えない。

これを制作した人、その意図を読み取れる人、凄い。

④時に人は迷惑を掛け合って。

サンフランシスコでの新CEO候補との面談前夜。

ジュールズは不安、悩みをベンにさらけ出す。

サンフランシスコに向かう機内でもそうだったが、ホテルの一室で夫の浮気を相談。

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ベンはこれに気付いていたわけだが、ふたりの関係性の深さを物語る。

 

ふたりはベッドでそんな話をしていて、BGM用にTVをつける。

 

ふたりで同じ方向を向きながら夜に暗い部屋でTVを鑑賞。夫と出来なかった行為をベンで埋め合わせた。

 

人は時に人に頼りながら、あえて言葉を選ばなければ人に迷惑を掛け合いながら生きている。

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旦那に対する不満を他の誰かで埋め合わせ、また日常へと戻っていく。

それをわかりつつ、受け入れられる器を持ち合わせているか。

自分も人に迷惑をかけていると悟ることが出来るか。

⑤Old smart

ベンはこの映画でとにかくスマートに描かれる。

台車の車輪が引っかかったタイミングで手を差し伸べ、人がやろうとしないデスクの片付けを誰よりも早く出社して行い、運転手の体調不良時には代役を買って出る。

“ここぞ”というタイミングでスマートに登場し、サッと帰っていく。

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それもがっつきすぎず、必要最低限の事だけを行う。

大人の余裕。慎ましく在るベンがとてもかっこよく映った。

 

もうひとつ、ベッキーに対して「耳が遠くて…」と言ったシーン。

ベンは70歳だけど、耳が遠いことを示唆するシーンは他になく、これは“優しいウソ”のように思えた。

自分を下に下に。可愛げの演出も忘れていなくて、どこか隙を見せておく。

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ベッキーが仕事に悩み、社内で大泣きした際、

「これだけ頑張ってるし、耳だって聞こえる。」なのに、耳すら遠くなっているベンが評価されて悔しい。というシーンがあった。

若者に文句を言う対象を用意してあげる。

そしてそれを微笑んで見守る。

分かる人には分かるこの粋な計らいに拍手。

詳細

マイ・インターン

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2015年、アメリカ合衆国制作のコメディドラマ映画。

監督・脚本・製作はナンシー・マイヤーズ

主演はアン・ハサウェイロバート・デ・ニーロ

 

ちなみに、日本版は『マイ・インターン』で英語版は『The Intern』

マイ・インターンは私のインターン、つまりアン・ハサウェイ視点。

一方、The Internはあるインターン、つまりロバート・デ・ニーロ視点。

日本版と英語版では、主人公が違い、宣伝のされ方が異なるのも特徴。

 

上映時間は121分。

制作費は3500万ドルで、日本円で約50億円。

全興業収入は1億9000万ドルで、日本円で約280億円。

日本だけでの興行収入は17億5000万円ほどと言われている。

【20代にとって大切な17のこと】じゃあ、自分はどうしたい?

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23歳。長年サッカーをやってきた身としては“もう23歳”という感覚が強い。

「よりよい人生にしたい」「何か成し遂げたい」

そう思うあまり、私は生き急いでいる。

 

そんな時に中田敦彦YouTube大学で面白い本が紹介されていた。

www.youtube.com

この動画を見て、メルカリで即ポチ。

読んでみての学びや感想をまとめたい。

20代にとって大切な17のこと

この本では題名の通り、20代のうちに大切にしておきたいことが17つ紹介されていた。

 

学生生活を終えて社会に出ると、いろんなものを吸収し、年齢も重ねて物事に対する心の変化が鈍くなっていくという。

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著者はこれを「鈍感力」と呼んでおり、鈍感になることで自分の身を守れる一方、変化や刺激がなく、面白い人生・ワクワクした人生は離れていく。

 

そうならないよう、自分の人生に常にワクワクして生きるための17のポイントが書いてあった。

学びになった点、アウトプットして記憶に残しておきたい点を5つに絞って記事にする。

変化を楽しむ

この本では歴史の話が多く出てきた。

というのも、変化していく時代に対応するには歴史を知り、予測を立て、今に活かす必要がある。f:id:xaviru_80:20230827104049j:image

先人が築いてきた歴史を知ることで今の行動を決める判断材料にすることが出来る。

大きな変化は80年サイクル

ということで歴史を遡る。

時代の変化は3段階に分かれるという。

 

①10年に一度の小さな風

②40年周期で大きな風

③80年サイクルでとてつもなく大きな風

40年周期

まずは、大きな風が40年ごとに繰り返すことについて。

40年ごとに大きな風が吹いては衰退を繰り返している。

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1865年に明治維新が起き、40年かけて国を建設。

1905年に日露戦争で列強の仲間入りを果たす。

1945年には第二次世界大戦の敗戦で谷の期間。

1985年にはプラザ合意でまたピークを迎える。

その後はバブル崩壊で衰退の40年。 →Next…2025年。

きたる2025年からはまた大きな風が吹いて勃興の40年を迎えるのか…?

 

既に大きな風は吹いた。

2025年から始まるコロナショック後が衰退なのか勃興なのか。

80年サイクル

もっと大きく見ると80年サイクルでとてつもなく大きな風が吹いている。

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1782年:天明の飢饉

  江戸時代に起きた大飢饉。6年間で92万人の死者を出した。

1867年:明治維新

  1000年続いた武士の時代から、四民平等の時代へ。

1945年:第二次世界大戦

  軍人が統治していた時代から文民統制の時代へ。

2020年:コロナショック

  2019年から約4年間続いた感染症。32か国でロックダウンが起きた。

そして今はコロナショックが終わろうとしている段階。

 

大きな変革期であることは誰もが理解しているはず。

この波に乗るのか呑まれるのか。背に腹は代えられない。

変化と保守のバランス感覚

ここまで歴史を見てきたけれど、イチ個人にフォーカスしても変化は起きている。

 

「20代のうちは変わること全てにYesと言え」と著者は言う。

時代は常に変化しているから、私たちも変化する必要がある。

 

「変化する自分」と「保守的な自分」

このふたつのバランスを取ること。

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自分の中でいい塩梅を見つけて変化を受け入れるマインドが必要。

才能を見出す

才能は誰にでも必ずある。

けれど、才能は条件がそろわないと発芽しない。f:id:xaviru_80:20230827104632j:image

自分という土に種は植わっているものの、種だけで植物は育たない。

3つの条件をそろえることが必要。

才能を見出す条件3つ

才能は3つの条件をそろえることで発芽へ向かう。

①光:チャンス、機会

  参加する、応募する、才能を見出してもらう

②熱量:ワクワク、好き度

  自分の思いや応援、時間を忘れるほど没頭できるか

③養分:実稼働

  お金や時間をかける

 

時間を忘れるほど好きなものを見つけて、

時間とお金を投資し、

イベントやチャンスに飛び込む。

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このサイクルを回す時期が20代。と解釈した。

狼の飼育員

ネイティブアメリカンおじいさんとお孫さんのお話。

爺「お前の中には、いい狼とわるい狼がいる。いい狼は人生でいいことをやろうとする。悪い狼は、ズルいことをやろうとしたり、嫉妬したりするんだよ」

孫「どっちの狼が勝つの?」

爺「それはね、おまえが餌をやるほうだよ」

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いい狼のエサはポジティブな思考、悪い狼のエサはネガティブな思考。

 

心の中に2種類の狼を飼っていて、自分はその飼育員。

日常の出来事が狼のエサで、その出来事の調理をするのが自分。

ポジティブに調理するのかネガティブに調理するのか。

より育った狼が自分という肉体を操縦する。

 

と考えると人間って面白い。僕らはただの入れ物。

遠慮をしない

自分に遠慮しない、周りを気にしすぎない、素直に生きる。

そんなことが書いてあった。と私は解釈した。

大きすぎる夢を持つ

小学校時代は大きな夢を掲げていた。

男の子なら誰しもヒーローを目指したことはあるだろうし、サッカー選手にも憧れた。

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しかし20代になって夢を問われると、遠慮がちに「夢なんて特にない」と答える人が増える。

 

叶いそうとか、現実的とか、そういうものを全て取っ払って遠慮せずに大きすぎるほどの夢を持っていい。

大きな夢を持つことを許してあげる。

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そもそも、夢を語る上で“現実性や叶う可能性”を考えることは矛盾している。

今のままの自分では届きそうもないから“夢”と呼ぶ。

 

広辞苑も、夢を「空想的な願望」と定義付けている。

空想でいい。大きすぎる夢を持つ。

好きを優先する

そのために、好きを優先する癖をつけよう。

社会に出ると、やるべきこと、やらなければならないという思い込みを優先して、好きを後回しにしてしまう。

 

「時間が余ったらやろう」

一日は24時間。時間は有限だから、余ることがない。

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作ろうとしないと時間は作れないよ by.職場の先輩

最優先事項を自分の「好き」に置くこと。

好きに従って生きる。

 

この記事を書き始めて早3時間。楽しい。

宿命と運命

著者の言う、“自分の力で変えられるものと変えられないもの”の考え方が面白かった。

宿命は宿った命。自分の力では変えられないもの。

運命は運ぶ命。自分で動かしていくもの。

先の例に当てはめると、コロナショックや大飢饉は宿命。

私たちにはどうしようもない事象。

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宿命に不満・文句を言っても何も変わらない。

私たちにすべきなのは自分で運命を変えていくこと。

誰と会うか、時間をどう使うかは自分で決められる。

自分の心の指針に従って運命を変えていく。

心の指針の従い方

では自分の心の指針はどのように見つけて、どのように従っていけばよいか。

好きを優先するための好きを見つける方法を2つまとめる。

失敗への向き合い方

人は得るものより失うものに反応してしまう生物。

何か新しいことに挑戦する際、“失敗する確率”を考えてしまいがち。

 

失敗への解釈の仕方を変えてみる。

「失敗してもいいからやりたい」と思えるかどうか。

失敗を、挑戦への覚悟、自分の情熱を測るための道具として使ってみる。

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「失敗してもいいからやりたい」

それくらいの情熱がないと人生は面白くなっていかない。

コイントス

もうひとつ、コイントスで決めるという方法が書かれていた。

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コイントスも失敗同様に自分の気持ちを量る道具として使う。

「表が出たらやる、裏が出たらやらない」と決めてコインをトス。

コインが回転しながら宙に舞う。

コインをキャッチ。

恐る恐る確認する。

… 表が出た。

大事なのは結果ではなく、過程。

コインが宙を舞い、確認するまでの間。

この間に自分がコインのどっちの面を望んだか。

その望んだ面に沿って自分の行動を決めるといい。

極端な話、コインが表だったか裏だったかは確認しなくてもよい。

 

強く望んだその面が自分の本音ということになる。

本を通して一番伝えたいこと

ここまで、この本での学び気付きをまとめてきた。

そこで、最後はこの本で一番伝えたいであろう部分。

一番重要な幹となる。と私が解釈した部分を綴って終わりにする。

自分がどうしたいか

結局、最後は基礎の基に立ち返る。

 

良いも悪いもなく、自分がどうしたいのか。

「良いor悪い」と二元論で判断するのではなく、それを理解した上で自分がどうしたいのか。

そこまで落とし込んで考えることが大事だと私は解釈した。

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自分にとっての幸せを見つけてそこに向かっていく。

 

自分にとっての幸せを見つける。

そのために歴史を知り、変化を楽しみ、才能の三条件に当てはめ、好きに沿って決断していく。

 

自分の正解は自分しか知り得ない。考えに考えて、考え抜くこと。

暗中模索を続けた先に一筋の光が差し込むことを信じて、終わりにしたい。

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詳細

『20代にとって大切な17のこと / 本田健

2021年2月発売:累計部数800万部突破

きずな出版

 

PopScorn ~映画はポップコーンと共に~

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海の日に海に行くような素直さが 

何より誇りです

『燃えるごみの日 / クリープハイプ』より

誰が決めたかも分からないルールに思考停止で従う人が嫌いだった。

けれど、そんな思慮深さが、そんな趣が、愛しくなってきた。

 

「映画はポップコーンと共に」

そんな想いで立ち上げたブログです。

独り暮らし

この記事を書いている現在、23歳。

社会に出るタイミングで実家を出た。一人暮らし。

 

怒涛の社会人一年目を終え、少し余裕が出てきた社会人二年目の現在。

余裕が出てくると考える時間も増える。

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考えれば考えるほど、余裕があればあるほど、

一人暮らしは、独り暮らしになる。寂しい。

向上心

そんな私は、好奇心が旺盛で向上心がある。

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安定と呼ばれる職、公務員。

そんな職に就いたものの、今の時代、このまま定年まで…という気は更々ない。冗談じゃない。

 

やりたいことは沢山ある。

いつかやってやんぞ

なかやまきんに君

行動に移して“いつかやってやる”という向上心もある。

一人の時間の大切さ

一人の時間が多い。考える。考える。

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私は人々と一緒にいるのは好きだが、私の思考の多くは孤独な瞑想の中で生まれる。

アルベルト・アインシュタイン

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孤独は、自由であることの必然的な結果であり、人生において最も価値のあるものである。

フリードリヒ・ニーチェ

 

数々の偉人が言うように、一人の時間は大切だ。

あらゆる創作活動は孤独な時間に生まれる。

どんなに輝いて見える作品であっても真っ暗な部屋、一冊のノートとペンから生まれる。

 

そんな一人の時間に向き合い、知的好奇心.向上心を活かしてあげるべく、

エンタメを消費することにした。

アウトプット前提

それもただのエンタメ消費ではなく、「能動的エンタメ消費」だ。

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映画、ドラマ、漫画、アニメ、読書などのエンタメに触れる。

これはインプット行為。

インプットとアウトプットの黄金比“In3:Out7”

これらのエンタメに触れて、このブログでアウトプットをする。

 

ブログに書くためにエンタメに触れる。

アウトプット前提のインプット。

目的をもってインプットをする。

何のために観るのか、読むのかの確認を徹底する。

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 ~ポップコーンと共に。